民法は、家族関係から経済取引まで、幅広い範囲についてさまざまなルールを定めています。
今回の民法の改正は、2017年(平成29年)6月2日に公布され、3年以内に施行されることになります(平成32年4月頃となる模様です)。
これは、約120年ぶりの抜本改正となるもので、法曹関係者、企業法務関係者のみならず、国民生活にも影響を与え得る内容です。
今回は、約200項目が変更される大改正となり、一部のルールを新設したほか、判例での運用だった内容を法律にも書き込んだものとなります。
消費者保護の視点が盛り込まれたのが特徴です。
民法には、大きく分けて2つの分野があります。
物に関する権利や契約などに関するルールを定めたものとして「財産法」、家族・親族や相続に関するルールを定めたものとして「家族法」です。
今般の改正は、財産法、特に契約に関係する部分の大改正となるものです。
例えば、物の売買、お金の貸し借りなどの基本的なルールや、契約が守られなかったときなどの予想外の状態になったときのルールなどが大きく変わろうとしています。
インターネット通販など不特定多数の消費者と同じ内容の取引をする場合に事業者が示す「約款」の規定も新たに設け、
消費者の利益を一方的に害する条項は無効になります。
長文で細かい約款をほとんど読まずに契約したことによるトラブルで泣き寝入りする事例を減らす狙いがあります。
さて、今回の民法改正の内容は非常に多岐に亘りますが、特に重要な事項は以下のとおりです。
■総則
①心裡留保 ②錯誤 ③代理権の濫用 ④消滅時効
■債権総論
①法定利率 ②履行の強制 ③債務不履行による損害賠償 ④債権者代位権 ⑤詐害行為取消請求 ⑥多数当事者 ⑦債権の譲渡 ⑧債務の引受け ⑨相殺
■債権各論
①危険負担 ②契約の解除 ③売買 ④消費貸借 ⑤賃貸借 ⑥請負
次回よりこの重要事項を解説していきます。
お楽しみに。
投稿者プロフィール
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