【戸籍法】もう、子どもに「キラキラネーム」を付けられない?

キラキラネームイメージ

「海」を「マリン」、「七音」を「ドレミ」、「陽葵」は「ヒナ」「ハルキ」「ヒナタ」「ヒマリ」「ヒヨリ」など…

日常生活を送っていると、知り合った人の名前の漢字に馴染みがなく、何と読めばわからないことがあります。
そのような場合、相手に何と読むか確認をした経験があるでしょう。
特に最近はいわゆる「キラキラネーム」といわれる名前の漢字からは読み方がわからず、「どう読めばいいのか」となることもあります。
しかし、今後そのような「キラキラネーム」を子どもに付けられなくなるかもしれません。

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現在の戸籍法の扱い

個人の名前を知る重要な手段として戸籍があります。戸籍が記載されている戸籍謄本は当事者や家族はもちろん、一定の資格を有している人(弁護士や司法書士等)が取得することができます。
戸籍は相続関係や身分関係を明らかにするために非常に有用なものです。
しかし、現在の戸籍法は戸籍に読み仮名をつけることをしておらず、やはり何と読めばいいのかわからないことがあります。
出生届には読み仮名を記載しますが、戸籍には反映されておらず、正確な読み方がわかりません。

 

読み仮名登録の検討

先般、法務大臣が読み仮名を付ける検討を法制審議会に諮問したというニュースが流れました。
その目的は個人データを検索しやすくすることで行政の事務処理を効率化することにあるといわれています。
確かに読み仮名がつけられていると、個人の特定に役立ちます。銀行口座との紐づけも可能になります。
それでは、これまで通りの運用で読み仮名だけを付けることになるかというと、そうとも限らないかもしれません。

というのも、名前についての議論が進んでおり、

① 公序良俗に反しない
② 音訓や漢字の表す意味との関連性

…を基準として名前として認める案が上がっています。「キラキラネーム」は②に該当し,認められない可能性があります。
このような案を含め、戸籍として使用できる名前について議論がなされることが予想されます。

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今後どうなるか

このような行政の事務処理を効率化するということに対しては、国による国民の管理が進むということを理由に反対する意見もあります。
法律上の定めはありませんが、親による「命名権」を侵害することにもなりえます。

今後、「行政上の事務処理の効率化と国民の権利のどちらを優先するか」ということについて検討されるでしょう。
行政上の秘密管理が徹底されることを大前提として、事務処理を効率化するために読み仮名がつけられるのであれば、戸籍に読み仮名がつけられることが認められてもよいかとも思います。

ただし、読み仮名をつけるのであれば「キラキラネーム」についても何と読むかわかるので、名前を制限する必要はないと思います。
戸籍に読み仮名をつけることと、戸籍として使用できる名前を制限することは別の議論とすべきでしょう。

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原・井上・藤川法律事務所
原・井上・藤川法律事務所
当事務所はさまざまな分野の法律紛争に対応しておりますが、案件としては相続事件がやや多めになっております。相続対策は早いほど効果的。気になることがある方は一度ご相談ください。平成25年4月 当事務所の弁護士たちで、東洋経済新報社より『新版 図解 戦略思考で考える「相続のしくみ」』を上梓しました。事務所は、アクセスの良い銀座一丁目駅にあります。まずはお問い合わせください。

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