今年1月より、ついにマイナンバー制度が開始されました。昨年の10月から順次「通知カード」の交付が始まり、皆さんもご自分の「通知カード」を受け取ったことと思います。
マイナンバーとは、日本に住民票を有するすべての人に付される12桁の番号(個人番号)のことで、社会保障、税、災害対策という3つの目的による手続きのために導入されました。個人番号は原則一生変わりません。
「通知カード」の中に申込書が同封されている「個人番号カード」は希望者のみ交付されますが、身分証明書としても利用できます。今後は健康保険証や運転免許証の代わりとしても使えるようになる見込みで、利便性が高まります。
今までは社会保障や税分野に共通の番号がなく、役所で手続きするために別の役所から書類を取り寄せるといった面倒が生じていました。しかし、今回マイナンバーという共通の番号ができたことで、役所間の情報共有が可能になりました。
来年の1月からは「マイナポータル」というインターネット上で個人情報のやり取りの記録が確認できるシステムが始まります。これにより一人ひとりにマッチした行政情報(予防接種や検診など)が受け取れるサービスも予定されています。マイナンバーにより災害時に適切な医療や支援が受けられるなどのメリットもあります。
一方で、マイナンバー制度最大のデメリットは情報流出の可能性でしょう。
これに対しては各行政機関が、それぞれ国民の個人情報を管理し必要なときに情報の連係を行なう「分散管理方法」が採用されています。万が一マイナンバーが漏えいした際にもその被害は限定される可能性は高いとされています。
また、一部の人は「副業が会社にばれるのではないか」と心配しているかもしれませんが、民間事業者のマイナンバーの収集・管理には大きな制限が設けられており、 従業員の所得を知るということはできません。しかし、税務当局には国民の所得の把握が容易になりますので、副収入があって今まで正しく確定申告をしてこなかった人は要注意です。
安倍政権の肝いりで始まったマイナンバー制度。国民の理解が未だ得られているとは言えない状態ですが、アメリカや韓国などの諸外国では既に導入されており、メリットとデメリットが明らかとなっています。諸刃の剣とも言えるマイナンバー制度ですが、これから希望者に対して、預金との紐付けなど適用範囲の拡大も決定しており、私たちが正しい知識を身につけて安全に活用していくことがますます求められていくでしょう。
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