昨今の物価上昇、円安の進行により「保険料の支払いが困難になった」との問い合わせを多くいただきます。
保険料の支払いが困難になると「解約」という方法を多くの方が検討しますが、保障もなくなってしまい万が一の時に困ってしまう可能性も考えられます。
保険料の支払いをせずに保障を残す方法として検討したいのが「延長保険」と「払済保険」です。
今回は「延長保険」「払済保険」とはどのような保険なのか、メリット、デメリットをしっかりとお伝え致します。
延長保険と払済保険にできる保険
まず、解約返戻金(保険を解約した時に戻ってくるお金)がある保険でないと延長保険、払済保険に変更はできません。
終身保険や養老保険等の貯蓄性の高い保険のみ変更できます。
つまり、医療保険や死亡保険で解約返戻金のない掛け捨ての保険は延長保険や払済保険には変更できません。
また、貯蓄性の高い保険でも加入期間が短いと延長保険、払済保険に変更できない場合や、そもそも変更できない場合もあります。
変更したい場合は加入している保険会社に事前に確認しておきましょう。
 
延長保険
その時点の解約返戻金を元にし、保険金額を変えずに一時払いの定期保険に変更する方法です。
保険料の払込はストップするので、今後の保険料の支払いの心配はなくなりますが、定期保険に変更するので保険期間は短くなります。
例えば500万円の終身保険(一生涯保障が確保できる保険)に加入していたとします。延長保険にすると保険料の支払いはストップし、保険金額も500万円のままですが、保険期間は終身(一生涯)でなくなくなります。
延長保険のメリット
● 保険料の支払いがストップする
● 保険金額をそのまま確保できる
● 生存給付金を受け取れる可能性がある
※定期保険の一時払い保険料よりも解約返戻金が多かった場合は、保険期間の満了日に差額分を生存給付金として受け取れる可能性があります。
延長保険のデメリット
● 保険期間が短縮される
● 付帯していた特約が全て消滅する
※残る保障は死亡保障のみとなるので介護等の保障を付けていても延長保険に変更すると消滅します。
 
払済保険
その時点の解約返戻金を元にし、保険金額が減額された保険に変更する方法です。
保険料の払込はストップするので、今後の保険料の支払いの心配はなくなりますが、保険金額が減額されるので保障が小さくなります。
例えば500万円の終身保険に加入していたとします。払済保険にすると保険料の支払いはストップし、保険期間は終身のままですが、保険金額は500万円から減額となります。
払済保険のメリット
● 保険料の支払いがストップする
● 保険期間はそのままキープできる
● 解約返戻金が残る
※解約返戻金が徐々に増えていきます。ただ払込した保険料を超えるまでは時間がかかります。払済保険に変更する場合は解約返戻金の推移表を保険会社に依頼して出してもらいましょう。…でないと、いつ払込した保険料を超えるかが分かりません。
払済保険のデメリット
● 保険金額が減額される
● 付帯していた特約が全て消滅する
 
元の契約に戻す方法
延長保険・払済保険にしたけど、元の契約に戻したいと思った時に元の契約に戻す方法を「復旧」と呼びます。
保険会社により復旧できる期間が決められているので注意が必要です。
復旧時の注意点
● 復旧時には再度の告知があるので、健康状態が悪くなっていると復旧できない可能性がある
● 支払いをストップしていた期間の不足分の保険料をまとめて支払い、所定の利息がかかる可能性がある
● そもそも復旧できない保険もある
 
延長保険・払済保険にする場合
延長保険も払済保険も今後の保険料の支払いがストップしますので、保険料の支払いが困難になった時の方法として検討しても良いですが、保険期間が短くなる、保険金額が小さくなる等デメリットもあります。
解約返戻金も払込した金額を超えるまで時間がかかります。
将来受け取れる解約返戻金額が小さくなれば、ライフプランにも影響がでる可能性もあります。
また生活費や住宅費等を見直しすることにより、延長保険、払済保険に変更しなくても良い可能性もあります。
延長保険、払済保険にする場合は自分だけで判断するのではなく、総合的に家計診断をして、本当に支払いが難しいのか判断した上で行ないましょう。
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