【私が不動産鑑定士になるまで】全く存在も知らなかった最難関の狭き門

不動産鑑定士イメージ

不動産鑑定士を目指したきっかけ

自分は1974年生まれの現在49歳。

不動産鑑定士の試験制度は今とは若干変わっていおり、当時の2次試験(1次試験は大卒は免除)に合格したのは2001年。
その後、当時は求められていた3年間の実務期間を得て、2004年に3次試験合格ののちに不動産鑑定士登録。
30歳の頃でしたからもう19年も前のこととなります。

自分は大学時代からぼんやりと「将来は専門性が高い仕事に就き、いずれは自分の腕で勝負したい」と考えておりましたが、明確な目標がなかったため、まずは社会人としての経験を積もうと、銀座にある大手不動産会社に入社しました。
社内に不動産鑑定士の方がいたため、いろいろとお話を聞く機会があり(その方も将来的には独立開業したいとの意向でした)、全く存在も知らなかった不動産鑑定士に興味を強く抱くようになりました。

当時、残業も非常に多く深夜まで働くことも珍しくなく、試験勉強に集中するために退職を決意。比較的短期間の在籍となりました。

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資格試験に向けて

退職後に専門学校に2年半ほど通い、上記の2次試験に合格。
とにかく2次試験が最難関で狭き門のため必死でした。

当時はお金もなかったため、アルバイトや残業のない派遣社員をしながら、平日4時間、土日は8時間、直前1か月は13時間ほど勉強しました。
自分の人生で最も勉強した時期と言えるでしょう。

試験に関してはとにかく「不動産鑑定理論」に強くなること。
また、論文を書くことに慣れることが大事だと思います。

分からない問題があっても諦めず、できる限り書ききること。諦めず糸口を探すこと。

簡単な試験ではないですが、これから受験する方は頑張ってほしいです。

 

不動産鑑定士になってみて

2次試験合格後は赤坂の個人事務所で3年半補助者として勤務しました。
少人数の事務所ではありましたが、社長が豊富な人脈を持つ優れた経営者で、名だたる大手企業からの案件が多く、また全国出張も頻繁に経験させてもらいました。

自分にとっては本当に勉強になった実りある3年半でした。

不動産鑑定士登録後は社内不動産鑑定士として2社で勤務したのち、2009年に横浜市にて独立開業。
現在は不動産鑑定と合わせて不動仲介も行なっております(社員計4名)。

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不動産鑑定士の魅力

不動産鑑定士の魅力はいくつかあります。
まず不動産鑑定士とは、価格や賃料といった不動産鑑定評価額を求めることが主業務となります。

主な依頼者様と依頼目的な以下のようなものがあります。

● 税理士:相続申告のための財産評価、関連会社間の不動産移転のための評価
(いずれも提出先は税務署)

● 弁護士:家賃訴訟のための適正賃料判定、遺産分割のための評価
(いずれも提出先は税務署)

● 金融機関:不動産融資のための担保不動産の評価

● 官公庁等:国土交通省の地価公示業務、国税局の相続税路線価業務

魅力のひとつとしては、収集した資料や自身の判断に基づき、不動産鑑定評価額を自分の裁量で決定できることにあります。

税理士も弁護士も税務署も裁判官も金融機関の職員も、不動産の価格に関しては詳しくないことが一般的です。

不動産鑑定士は、自分が付けた鑑定評価額に対して「なぜこの価格になったのか?」ということを理論的に説明するため、不動産鑑定評価書を作成いたします。
(ですので、自身が理論的に説明できない価格は付けてはなりません)。

「不動産アドバイザー」的な立ち位置で依頼者様からの多岐に渡る相談を受けることも多いです。

 

不動産鑑定士の醍醐味

鑑定評価額を決定し、鑑定評価書を作成するために現地調査が必要ですが、現地調査のエリアは幅広く、
例えば、依頼者様が上場企業の場合に、財務諸表に載せるための保有不動産の資産価値の評価の依頼をいただいたことがあります。

その会社は東京に本社がありますが、全国約20都道府県に事業所があったため、各地を周りました。
いろいろな地方の不動産を見られることは自分の経験値となります。

半面、物件が山や畑などのこともあり、以前に大雨の際、調査物件である山の斜面から滑り落ちたこともあり、大変な思いをしたこともあります。
そのあたりも不動産鑑定士の業務の醍醐味なのかもしれません。

また、不動産鑑定士は打合せ及び、現地調査時と納品時以外は依頼者にお会いすることがほぼなく、自分の作業スケジュールを立てやすい点も魅力のひとつです。
主婦の方などは開業して自分のペースでお仕事できるかもしれません。

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これから資格取得を目指している人へ

不動産鑑定士はほかの士業と比べると圧倒的に人数が少なく、一度依頼者様に信頼してもらえると、継続してお仕事をいただける確率が高いこともメリットでしょう。

…とはいえ、本当に人数が少なく、また他の士業同様に高齢化しているため、業界には若い力が必要です。
ぜひ、このような不動産鑑定士という資格にご興味ある方は目指してみてください。

自分は「不動産鑑定士になって本当に良かった!」と思っております。

 

記事執筆:株式会社あかつき不動産サービス 藤田勝寛(不動産鑑定士・宅地建物取引士・行政書士)

藤田先生

 

 

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