皆さんの中で『戒名を』持たれている方はいらっしゃいますか?
セミナーの余談としてよくお話をする部分なのですが、今まで何度となく問いかけてみたことがあります。
すると参加者の方は一様にきょとんとした顔で私の顔を見つめます。
大多数の方は「何を言ってるんだこの人は」と思うようですが、中にはいらっしゃるんです、手を上げる方が!
今まで二人いらっしゃいました、「私、戒名持ってます」と。
そうなんです『戒名』は、現在では一般的に亡くなられた後に僧侶より授けられるものと思われているようですが、実はそんなことはないのです。
そもそも、『戒名』とは本来、仏教徒として守るべき生活や心の修業を体得した方に授けられる名前なのです。
現在では亡くなってから授けられるのが一般的ですが、元々は生きているうちに先程の「戒(かい)」(心の修業を収めること)を受け、仏教徒として生活することが理想とされているわけです。
では、『戒名』はどこで使うものなのでしょうか?
仏教でのお話になりますが、仏様の世界を彼岸(ひがん)と言い、これに対し人間の世界を此岸(しがん)と言います。
彼岸と此岸の間を流れるのが、三途の川です。この川を渡るための通行証が引導(いんどう)と呼ばれているものです。
よく映画などで「引導をわたしたろか!!」という台詞がありますがここからきています。
その渡し賃が今、NHKの大河ドラマでお馴染みの六文銭(ろくもんせん)ということになるのです。
『戒名』はこの彼岸つまり、仏様の世界で使う名前なんですね。
また、ほとんどの宗派では『戒名』といいますが、日蓮宗では『法号』、浄土真宗では『法名』と呼んでいます。
現在では『戒名』は、『OO院□□△△居士』(居士のところは女性では大姉)というように9文字(院号・道号・戒名・位号)で捉えられておりますが、『戒名』はあくまでも△△の部分なのです。当然それぞれのパーツにはそれぞれ深い意味がこめられています。
相続対策では、この『戒名』でも費用(お布施)や宗派などでトラブルが発生しています。
このようなこともトラブル回避のためにもちょっとした知識として知っておくと良いと思います。
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