2014年から始まった「NISA(少額投資非課税制度)」と、2017年からほぼ全ての現役世代が加入の対象となった「iDeCo(個人型確定拠出年金)」。
資産運用を始めるにあたり、どちらの方法で選べばよいか考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今回は20歳以上の方を対象として、それぞれの特徴を比較し、年代別・目的別にどのように活用したらよいかを考えてみたいと思います。
ポイントは以下の5つです。
① 資金の引き出しはいつでもできる?
「NISA」はいつでも売却して口座から出金する事が可能です。
「iDeCo」は原則60歳以降の受給年齢に到達するまでは資金の引き出しが出来ません。
② 非課税の対象になる?
「NISA」は、売買益・配当金・分配金など投資で得た利益にかかる税金が非課税となります。
「iDeCo」は、NISA同様に投資で得られた利益が非課税になるとともに、掛け金全額が所得控除の対象となり、所得税・住民税の節税になります。
また、受取時、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」が、年金として受け取る場合は「公的年金控除」が受けられます。
③ 具体的に何に投資するの?
「一般NISA」:上場株式・公募株式投資信託等
「つみたてNISA」:長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
「iDeCo」:投資信託:確定拠出専用商品(投資信託・年金保険・預金など)
④ 投資限度額や投資可能期間は決められてるの?
「一般NISA」は年間120万円、最長5年間(=最大600万円)が投資限度となり、投資可能期間は2023年までとなります。
「つみたてNISA」は最低100円から年間40万円×最長20年間(=最大800万)が投資限度となり、投資可能期間は2037年までとなります。
なお、「一般NISA」と「つみたてNISA」は、どちらか一方しか選択できません。
「iDeCo」は公的年金の加入状況で異なりますが、年14.4万~81.6万×60歳まで投資可能です。
⑤ これからの税制改正でどう変わる?
令和2年度の税制改正大綱によると「一般NISA」は2024年より「新NISA」に移行予定。
投資限度額は年間122万円(2階建)、最長5年間(=最大610万円)。
今回の税制改正では2024年から「一般NISA」を2階建てにする方針が盛り込まれました。
リスクの低い投資信託などに対象を限定した積立枠(1階)と、上場株式などにも投資できる投資枠(2階)ができ、原則として1階部分を利用した人だけが2階部分にも投資できるようになります。
「つみたてNISA」は投資可能期間を2042年まで延長予定となります。
「iDeCo」は投資可能期間を60歳から65歳まで延長予定となります。
今後の税制改正に注目しておく必要があるでしょう。
このように見てきますと、近い将来、ライフイベントの変化が予想される、あるいは考えておいた方が良い年代の方で、それでも老後資金について不安のある方は、いつでも引き出しが可能な「NISA」を優先されるのが良いのではないでしょうか。
所得が高くもしくは貯蓄が多く、ライフイベントに急な変化がおこっても乗り切れるような資金に余裕のある方は、「iDeCo」も活用されたら良いかと思います。
目的と期間、特にライフイベントにおける三大資金である「教育資金」「住宅購入資金」「老後資金」についてどの方法で準備していくか、
年末年始のお休みの間、少し考えてみてはいかがでしょうか。
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